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巻頭言
「平和をつくり出す人たちはさいわいである」
院長 田中 弘志
戦争の世紀と言われた二十世紀が終り、私たちは新しい思いをもって二十一世紀を迎えました。次の百年の間に私たちはこの世界から本当に戦争をなくすことができるのでしょうか。
剣をとる者は剣によって亡びるという単純な真理は頭で分かっていても、人間は「自己防衛」の名のもとにいまだに武器を手放すことができないでいるのが現実です。半世紀余り前に敗戦という形で長い長い戦争の終結を迎えた直後の日本では、どんなことがあってももう二度と戦争は御免だ、軍事力はいらないと本気で思ったはずなのに、早くも現行の平和憲法を改定しようとする動きが強まっています。
戦争の悲惨さを直接体験したことのない生徒たちが、その実体験者から聞きとったことを自分の心で受け止め、それを消化して書きとめて行く「聞き書き」という学習は、断固として戦争を阻止するのだという世論を高めていくために、一見遠回りのようではあるけれども有効な一つの手段だと言えます。
「平和をつくり出す人たちはさいわいである」という聖書の言葉を思い浮かべます。平和は何もしないでいて自然に生まれてくるものではないようです。平和をつくりだすためには、私たちのたゆまぬ努力が必要なのです。
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