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愛光中学・高等学校 「愛光学園新聞 第135号」
01/08/08 愛光中学・高等学校 「愛光学園新聞 第135号」
愛光、ついに共学化!
愛光学園は2002年度より、中学・高校ともに女子生徒を募集する。5月に生徒・保護者・マスコミなどへの発表があり、現在は新しい設備や制服について、委員会による検討が続いている。新聞委員会は五百木誠也校長先生に、今回の決定に至る過程と今後の見通しについてうかがった。
・共学の理由と、決定までの経緯は?
1)私学にとって大きな意味を持つ、創立50周年の問題。50年を機
に何を引き継いでいくのかしっかり確認しなければならない。同時に50年経つと価値観も変わってくる。そういう社会の変化を踏まえて、引き継いだものに加えて学校自体が変わっていかなければならないものがあるのではないか。去年の4月から委員会を作って、そういう視点から色々と検討してきた。
2)国の教育改革が始まる年に重なるという点。その教育改革には、週五日制、新しい学習指導要領などの非常に大きな改正を含んでいるが、それに対して私学がどのように対応していくのか、という問題。
3)少子化の問題。将来を考えると何らかの影響が出てくるに違いない、と考えた。例えば、中学受験では、ピークの志願者数から比べると400名ほど減っている。今後もどのようにしてレベルの高い生徒を確保していくかは大事な問題。
この三つの課題を検討する中から、共学という方法が、どの課題に対しても一定の有効性を持つ解答になるのではないか、ということで有力な選択肢となった。
・共学化がほとんど誰にも知らされずに秘密に進められたのはなぜか?
(きつい質問をもらったが、)秘密でも何でもなく、教員内では、おおっ
ぴらに協議していたが、学外に漏れるのを防ごうとしたのは、20年前になぜか共学化の噂が流れて混乱がおこったという苦い思い出があった。待望が強いだけに、やるかやらないか分からない不正確な情報が流れるのは学校として無責任だとして、正式に決定されるまで外に出さないようにしようとした。一番悩んだのは御父母にいつの段階でお話をすべきかということで、昨年の4月から議論が始まって、他のいろんな問題と併せて考えて最終的に職員会議で結論が出たのは4月27日あたり。来年入試をするのであれば、いくら遅くても、5月末までには発表しなければならない。その逼迫した日程の中で色々検討したが、思い悩んだ末にあのような発表の方法(御父母、生徒、同窓会、マスコミ、小中学校、塾への同時発表)をとった。
・女子20%の割合の意味合いは何か?またこれから割合を上げることはあるのか。
当面20%にした一番大きい理由は、女子の受け入れは初めての経験なので、一人一人の生活・学習の全般を観察して丁寧に育てたいということ。それと、50年の男子校の伝統の中で作られてきた「質実、純朴、自由闊達」といった良い校風は守りたい。そのための適正規模はどの程度かを配慮した。(もう1つ加えるなら、本校の望む女子学生は、将来は社会の中でリーダーシップをとってもらうような女性である。現在、日本で管理職に登用されている女性の割合は、職場によって違うが、低いところで1%、多いところでも5%くらいで非常に低い。欧米では大体15%〜20%近くになっている。早く欧米水準ぐらいまで、有能な女性の社会進出度を高めることが大事である。そういう数字も参考としてあった)。
・面接を導入する理由は何か?
面接は、来年から共学と併せて始まる専願・併願制の一部で、専願生にだけ実施するもの。「本校が第一志望である」という意志と理由をしっかり確認するために実施することにした。
・共学化のメリットは何か?
1つ目は、高い目標を持って頑張る男性・女性を見て双方の「学習面でのよい刺激」になる。2つ目は、将来、肩を並べてリーダー的な役割を果たすような男女が一緒に勉強するので、男子校の弱点として指摘される「男女同権・同等意識の欠如」といった点が改善されるのではないかと期待している。
・共学化のデメリットは何か?
共学化で心配していることはあまりない。男女交際については神のみぞ知るところで断言はできないが(笑)、社会のリーダーになるという目標を持った、良識・見識を持っている人が入ってくるのだから心配はしていない。
・設備は大丈夫なのか?
設備に関しては、例えば、女子用のトイレや更衣室、茶道部などの畳の部屋を含む建物を噴水のある中庭を潰して新築する。また、トイレなどは女子生徒が3階から1階までわざわざ行かなければならないのは不便なので、学年上昇につれて新しいものを設置していくことは検討中。また、この中庭を利用した女子用のスペースは集会の時の通行の際や放課後の茶道部などの活動で使用する生徒以外は、普段の男子生徒の通行は控えてもらう。
・部活はどうなるのか?
部活については検討中で、家庭科や体育の関連で華道部やダンス部が新たにできる可能性はあるが、おおむね、増えるのは文化部になりそうだ。運動部では、人数の関係で女子ができそうなのは柔道、テニス、卓球、バトミントンなどの個人競技が中心となるのではないか。
・女子は自宅通学に限るが通学範囲外の生徒はどうするのか。例えば、女子寮を設置したり、下宿を認めたりするのか?
安全管理については、最大限の配慮が必要となる。現在は寮はもちろんないし、下宿はどうかといわれるとやはり心配が大きい。結局現時点では自宅から通学できるか、学校が親に代わると認められる保護者(例えば親戚)を確認できれば、構わないということにした。しばらく様子を見て、あまりにも問題点が多いようであればまた検討しなければならないかもわからない。ただ、現在のところ寮の建設計画はない。
・科目はどうなるのか?
科目は、体育の授業のあり方や家庭科の授業の導入について検討中。他の授業は特に変わることはないだろう。
・女子の制服はどうなるのか?
女子の制服はもちろん作る。制服委員会が設置されて、検討中だ。
・文化祭・体育祭はどう変わるか?
具体的なイメージはわかないが、文化祭・体育祭は女子の比率が20%位なので雰囲気的にはそんなに変わらないのではないか。ただし、文化祭にしろ体育祭にしろ、テレビ・雑誌からの情報に悪乗りしたような品位を欠くようなものは消えていき、良い形にはなるのではないかと期待している。
・愛光の将来はどうなってほしいですか?
基本線は今までの学校が持っていた精神を引き継いでいくことだと思うが、
1)本校を第一志望とする優秀な生徒が全国から集まってくれるような学校にしなければならない。
2)大学入試に関して、東大はもちろん大事だが、東大だけにこだわるのでなく、本当に生徒一人一人の個性に合った、また、その人の個性を本当に伸ばせるような一流大学に全員が入学していくことが大事だと思う。文部科学省は最近、大学の統廃合を進め、その中から国立・私立大学を併せて30ほど選び、そこに資金を重点的に投入して、世界のトップレベルの大学にしていくという構想を発表した。仮にそれが実現するのであれば、具体的には、そういう大学に全員が入学する学校であることが必要である。
3)具体的な構想までは行ってないが、例えば芸術やスポーツにおいて非常に優れた才能を示す生徒には学校として何らかの対応をしたい。もちろん勉強が中心軸ではあるが、同時に全人格形成をフォローしていく幅を持った学校でありたい。それは野球やサッカー部を特別強化して、全国優勝させるというような意味ではなく、例えば、芸術やスポーツなどに非常に優れた才能を持つ生徒がいて、その道に進みたいというならば、その才能が伸ばせる大学に送り出すような対応がキチッとできる指導力がある、そういう懐の深さのある学校にしたいということである。
4)夢ではあるが、国際交流の促進をしていきたい。世界のレベルの高い学校との姉妹校提携を結んで、名前だけの姉妹校でなく、規模の大きな交換留学をし、理想を言うならば、常に毎年海外からの生徒が2,30人来ているとか、あるいはもっと大きな夢を言えば、卒業までにほぼ全員が留学体験できるような国際交流の拡大がしたい。
5)私立学校は経費がかかるので、経済的に苦しい人のために奨学金制度の充実を図りたい。お金のある人からはしっかりいただくが(笑)、希望としては全体の1割くらいの生徒が奨学金制度を受けられるようにし、学校が優秀な生徒をしっかり育てていけるようにしたい。経済的な理由で素晴らしい才能を発揮できないことのないような体制を整備したいという夢を持っている。
教師陣は今回の共学化について、大きい希望をもって進んでいきたいと思っているので、生徒諸君もぜひそういう気持ちで、この共学化を前向きに受け入れてほしい。
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