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ホーム学校リサーチ:学校刊行物男子校京北学園白山高等学校 「日経STOCKリーグ第1回(2000年度)≪最優秀賞≫受賞」

01/12/18 京北学園白山高等学校
「日経STOCKリーグ第1回(2000年度)≪最優秀賞≫受賞」

日経STOCKリーグ
第1回(2000年度)
≪最優秀賞≫受賞
発刊によせて

京北中学校
京北高等学校
京北学園白山高等学校

校長 川合 正

 学ぶということは「なりたい自己」と「なれる自己」を広げていくことだと言われます。私は今回、生徒たちが「STOCKリーグ」の実践に取り組む姿勢に、限りない教育の可能性を教わった気がします。大人は、往々にして「大人の世界」と「子どもの世界」に一線を画しがちです。しかし、大人の世界と思いこんでいた中から、子どもたちは、忘れかけていた大切な宝物をすくいとって我々に見せてくれるのです。さらに、自分の「なれる自己」の幅をも広げていくのです。私にとって「子どもこそ我が師」なんだと納得させられる瞬間です。大人のこだわりにとらわれずに子どもの前に心を開いていく心構えをいつまでも持ち続けたいものです。
 さて第一回の名誉ある「最優秀賞」を受賞した3人の生徒は、毎日放課後残りいろいろと議論の末「バリアフリーの発信基地は鉄道会社」というテーマに取り組みました。初めは、株式投資で金儲けをするという発想だったかもしれませんが、資料を検索し、さらに自分たちの足で会社訪問を繰り返すうちに、株式投資は「社会に必要とされる企業を応援することでもある」という視点を持つようになりました。その視点が、社会の仕組み、経済の流れ、企業の使命、人間の優しさなどを深く学んでいくキッカケになった点が選考の際に高く評価されたのだとも聞いております。このような教育という観点から優しい眼差しで選考していただきました委員のみなさまに心より感謝するとともに、子どもたちの考えを大切にして教育に専念されている黒羽清美先生はじめ本校の諸先生にも感謝したいと思います。
 京北の教育の一端をこのような冊子としてまとめていただきました。是非多くの人に読んでいただき「21世紀の教育はケイホクから」という息吹に触れていただくとともに、ご批評・ご教示をいただきたいと願っています。
   2001.10.1


ストックリーグとは
高校生、大学生のための株式学習コンテスト
第1回 日経STOCKリーグ

 日本の将来を担う若者が、生きた経済にふれ、学び、考えていく。日本経済新聞社が、高校生と大学生を対象とした、株式学習コンテスト"日経STOCKリーグ"を、昨年10月〜12月の期間で開催。全国の高校・大学155校より623チーム、2,604人が参加しました。"日経STOCKリーグ"に参加した高校生や大学生たちは、インターネットを活用した「バーチャル株式の体験学習」や各自の投資テーマにそったポートフォリオづくりなどを通して、実際の経済の動きを体験し金融の仕組みを学び、理解していきました。
 そして、この体験を通して学んだことをもとに、参加チームは自由テーマのリポートを作成。全国から集められたリポート(高校239点、大学114点の合計353点)を、審査委員会が審査し、本校チームが第一回の最優秀賞を受賞しました。3月10日、日経ホールにて表彰式と記念シンポジウム「経済教育の現在・未来」が開催されました。

※ 「2.バリアフリーの発信基地は鉄道会社」がSTOCKリーグで表彰されたレポートです。
「3.バーチャル株式の体験学習レポート」はSTOCKリーグの事前学習として行った学習のレポートです。


記念シンポジウム(日経ホールにて)レポート報告

 今の株式投資は儲けることばかりに偏りすぎています。
 ストックリーグのポートフォリオ学習には「社会に貢献、もしくはその努力をしている会社に投資し、みんなで育てていこう」というロマンがあり、株式投資もよいものだなと感じました。

 京北商業2年Sが私たちのレポートを発表させていただきます。
 今回私達はポートフォリオを組むにあたって様々な意見を交換させました。
 その中でも社会に貢献する会社、夢のある会社、それにより利益を生み出す会社、この3つを満たす会社を選びました。
 それは(1)自然環境問題、(2)人間により近いロボットの研究・開発、(3)多分野にわたるバイオテクノロジーの研究・開発、(4)障害者や高齢者がいつどこにでも社会参加できるように、あらゆる場所で「バリア(障害)をなくす」バリアフリーです。
 それは最終的に絞り込んで選んだテーマが(4)のバリアフリーでした。
 その中でも私たちは足が不自由で車椅子を使わなければ自分の体を移動できない障害者・高齢者のバリアフリーに的を絞りました。
 何故ならば世界一の長寿国である日本はすでに高齢化社会であり、今後ますます車椅子を利用する人口が増えると予想される事、また車椅子のバリアフリー化が一番お金がかかると考えられ、車椅子を利用する人のバリアフリーが本格的に進めばその波及効果として他の障害者のためのバリアフリー化も進み、簡単に実現できると考えたからです。
 それにより国民の意識も高まると思います。
 そして本来、バリアフリー化は欧米のように国や政府が主導権を握り、推し進めていかなければ解決できない大きな問題であると思います。
 しかし、現在のところ日本の国や政府が全国的規模で車椅子のバリアフリー化を実現しようという政策や考えを持っているとは感じられません。
  そこで私たちは国や政府が駄目なら民間の中で、車椅子利用者の為のバリアフリー化に積極的に取り組んでいる企業・会社はどこか、3人で意見を出し合いました。そこで更に行動できる範囲が一番狭い(自動車での移動できる人は除き)車椅子のバリアフリーという事で、この人たちの行動範囲を広げることに着目し、出てきたのが西武鉄道・バスでした。チームメンバーの私が毎日使っている事もありバリアフリーに意欲的に取り組んでいるという事がわかったからです。またノンステップバスという車椅子の方が乗れるバスが色々なところで走っていて車椅子利用者の間では有名でありHPまで作られているためです。そしてこの西武グループのほとんどがバリアフリーに力を入れているという事が調べてわかりました。
 「これなら簡単に十社集まるな〜」と話していたのですが、なんと西武グループはそのほとんどが上場していない事がわかり、それならば西武鉄道を軸にバリアフリー関係で取引をしている会社を探し十社選びました。取引相手などは直接西武鉄道の広報担当の方に聞き、聞き逃した部分は後日電話で調べました。
 その質問の内容を一部発表しますと、
「車両を作っているメーカーはどこですか?」という質問に「西武鉄道」。自前の車両であることが判明しました。
「自動券売機、自動清算機、自動改札機のメーカーはどこですか?」という質問に「オムロン」という答えが返ってきました。
「自動販売機(飲み物)のメーカーはどこですか?」という質問に「富士電機冷機」と答えが返ってきました。
「障害者用のトイレを作っているメーカーはどこですか?」という質問に「東陶機器、INAX」と答えが返ってきました。
「エレベータ、エスカレータのメーカーはどこですか?」という質問に「三菱電機、日立製作所」という答えが返ってきました。
 そしてようやく十社が決定しました!!!金額はメンバーで話し合い、軸にしている西武鉄道に20%、他にはそのバリアフリーの重要性、普及率を考えながら振り分けました。

  1. 西武鉄道(銘柄コード:9002)100万
    バリアフリーの車両は自社の工場で製造。手すりなども鉄材を仕入れ、自社(西武鉄道・所沢車両工場。2000年6月より武蔵丘の新工場に移転。)にて製造。電気部品、パンタグラフの整備、塗装。台車・車両の修繕も手がける。西武鉄道のHPで調べたところ、西武池袋・新宿線の32駅においてバリアフリー化がかなり進んでいることがわかった。その内訳は、エスカレータ・エレベータ・スロープ・昇降機・車椅子渡り板・障害者用便所・点字運賃表・点字手すりシールなど。
  2. 日産ディーゼル工業(銘柄コード:7210)50万
    西武鉄道の関連会社として、西武バスのノンステップバス製造・販売をしている。同社のHPによるとバリアフリーに適したバスの増産と社会環境を配慮したバスの開発に力を入れている。
  3. 三菱電機(銘柄コード:6503)50万
    エレベータ、エスカレーターの製造・販売。「高齢者、身体障害者など移動制約者が行きたい時思うままに行動できる駅づくり。」という意味合いで「バリアフリーな駅づくり」というタイトルを掲げている。メリットは(1)駅舎の構造に合わせながら乗客の流れを妨げない、直角2方向エレベーター。(2)既存プラットホーム幅に合わせた、省スペース化。(3)通行制約となる工事期間を大幅に短縮する昇降路一体製作とユニット建造。などの三つを挙げている。
  4. 日立製作所(銘柄コード:6510)50万
    エレベーターの製造・販売をし、西武鉄道にも設置されている。三菱電機と競争し合えばより良い製品が開発されると考えられる。
  5. オムロン(銘柄コード:6645)50万
    自動改札機、自動清算機、自動券売機の製造・販売をし、バリアフリーを促進している。
  6. 東芝(銘柄コード:6502)50万
    自動改札機の製造・販売をしている。
  7. 東陶機器(銘柄コード:5332)20万
    トイレやその部品の製造・販売をしている。「車椅子専用トイレ」などの障害者専用トイレも作っている。
  8. INAX(銘柄コード5336)20万
    東陶機器と同様、トイレやその部品の製造・販売をしている。
  9. ヤマハ発動機(銘柄コード:7272)70万
    車椅子製造・販売をしている。高齢者、身体障害者の「足」となる車椅子、その中でも電動車椅子ユニットを製造・販売している。
  10. 富士電機冷機(銘柄コード:8280)40万
    ユニバーザルデザイン自動販売機の製造・販売。97年には300万台を生産。

● 最後に
今回この様な機会をいただきバリアフリーを真剣に調べていて思ったのは、バリアフリーに対して進んでいる企業でもまだまだバリア(障壁)は取り除けていないということがわかりました。バリアフリーと言うのは車椅子の方が介助の手を必要とせずに一人で自由に旅行や買い物が楽しめる社会だと思います。
 しかし、現実にはまだまだです。それは私達がまだ障害者の目でものを見ていないからだと思います。スロープを設置しても坂があまりにも急で上れなかったり、障害者用のエレベータに一人では入れなかったりなど色々有ります。
 障害者に優しい社会ができるという事は私達にとっても素晴らしい社会ができるという事です。そして障害者に優しい社会は、健常者にとっても優しい社会だと思います。
 すべての人に優しい社会、それが21世紀が目指す社会だと私達は考えます。
 以上でレポートの発表を終わらせていただきます。
 最後までご清聴有り難うございました。


STOCKリーグ体験談

STOCKリーグに参加しての生徒一人一人の体験談です。S君の体験談は「5.記念シンポジウム(日経ホール)レポート報告」に代えさせて頂きます。

a. チームリーダーとして

 私が日経ストックリーグに参加しようと考えたのは去年の6月のことだった。
 私は小学校の時からこのような催しに参加してみたいと考えていた。しかし当時そのようなチャンスは無かった。だから今回黒羽先生からこの話が来た時にはすぐに参加しようと思った。と言うのも私の心の中でめんどくさいという考えが一瞬頭をよぎったからだ。しかし私は「小学校の時からやりたかったんだし、このチャンスを逃したら二度と来ないだろう」と直ぐ考え直して結局参加することにした。
 具体的に話が進行したのは夏休みに入る少し前だった。まずチームリーダーを決める事にした。リーダーの決め方はすこぶる単純でジャンケンだった。私はジャンケンに負けない、負けないと心の中で唱えながらジャンケンに臨んだが結果は見事に負けて私がチームリーダーになってしまった。もっとも心の奥底では「チームリーダーをやりたい」と言う権力欲が無かったわけではないが、7月下旬・8月と夏休みを挟んで九月に再開。9月はストックの中でも一番大変だった時期だ。この月に100万円のポートフォリオの投資先を決めなければならず、しかも初めての株式投資なのでどこに投資してよいのか分からなかったからだ。
 100万円のポートフォリオの投資先を決める時には少々もめた。黒羽先生が「高校生らしいもので行こう」と言ったが私はそれに反対して「いや、バイオテクノロジーのような未来的な物で行くべきだ」と提案したからだ。ただ「IT関連を中心テーマにしない」と言うのは全員一致で直ぐに決めた。結局各自が各々自分で好きな会社を選ぶ事で解決した。
 決めた投資先の銘柄を実際に買ってみた。最初は水曜日に集まろうと決めたが毎日自分達が買った株のことが気になって結局木曜日と土曜日を除く殆ど毎日集まってしまった。特に雪印の株が気になった。私と黒羽先生は実際に雪印株を買ったからだ。また雪印の創立者の一人が京北出身だったからでもある。
 一日や二日で株が大幅に上がる事など殆どなかったが、たまに大幅に上がっていたりすると大喜びした。下がった時はとても残念だった。もっとも10月以降株式市場は低迷しつづけて下がる方が多くなったが。
 10月の下旬いよいよメインである500万円のポートフォリオのテーマと投資先の選定を始めた。パフォーマンス賞は無理だろうと考えて、儲けを追求せずにテーマの選択とレポートに集中するということは早々に決められた。この時もいろいろ意見が出てその選定のために夜遅くまで残った。放課後になるとセントラルヒーティングは切られてしまうのでとても寒かった。また何日もその状態が続いていたので少し風邪気味になってしまった。
 そうした苦労をして練り上げたテーマは「バリアフリーの発信基地は鉄道会社」だった。このテーマにいたるまでには紆余曲折があった。まずS君が「バリアフリー関係で行こう」と提案した。しかしただのバリアフリーでは他のチームも考えるだろうから何かバリアフリーに関係する別の物も取り入れよう、と言うことになった。そこで私が前から言っていた「鉄道の駅から何かを発信しよう」と言うアイデアが採用されこのテーマが出来た。
 2ヶ月ほどあとに100万円のポートフォリオのレポートと500万円のレポートを組んで日経に送った。この時黒羽先生は「アメリカに行くぞ」と言っていたが私たち3人は誰も相手にしなかった。その時はまさか数ヵ月後この言葉が真実になるとは夢にも思わなかった。

b.経済は面白い

 経済は面白い。そう思ったのが中学二年のときだった。それ以前は、ただ歴史に興味を持ち時代時代の細かい部分を自分で調べたり、先生に聞いたりして歴史の知識を自分なりにして蓄え、それを将来の職に役立てば私はそれで満足した人生だと思っていた。しかし、テレ朝の番組を見ていて経済のことをやっていて大変興味を持った。極め付けが、テレビ東京のいわゆる「米国でのバーチャル株式」の授業風景と大学での経済授業の中身にかなり感動した。経済とはこんなにも面白いものなのだと確信した。それで、私は商業高校に進学した。
 「株式の運用」。前々から大変興味があった。しかし、株の運用は大変危険が伴う。なにしろ動かす金額がどうしても高額になってしまうからである。しかも、損失が出れば誰もその金額を保証してくれないのだから。それでも、私は機会があればしたいと思っている。なぜか?成功すれば、大変な利益が出るからだ。そして、その利益でまた運用する。その繰り返しである。しかし、その逆もある。損失が出た場合である。底なし沼に入った状況になってしまう。そこからは、早く出ないと助からない。「株」もいっしょである。こういった考えを持ちながら、将来の資産作りにがんばりたい。
 最初の難題が出てきた。100万円をもって運用するという難題である。さて、そこで困ってしまった。何を買うかである。今時の株(IT・バイオ・ナノテク)やマニア株(日本精工・日本無線)や有名株など色々な株が日本には存在する。そんな中思いついたのが、東証一部のサービス業に分類されている「コナミ」である。別に、なにもわけあってこの株を買ったわけではない。コナミは、ゲーム業界のトップを走っている。それなりの体力もあるから、運用期間中は潰れる心配はないと考えたからだ。尚、我々は運用期間中にこれらの株の売買はしないことにした。長期運用する方針を最初のときに決めていたからだ。その結果であるが、取得単位が9400円ぐらいで一時9980円まで上昇した。これには驚いた。しかし、高値をつけた翌日一気に下落。9600円あたりまで下がってしまった。
 株とは面白い。まさに、生き物である。株価が、上がるときは一気に駆け上がり、下がるときは一気に転げ落ちる。これは、自分の人生にも影響を与える。そう考えると大変面白いし、怖い。100万円ももって運用する、遠い話ではないと思う。黒羽先生の商業経済でやった「確定拠出年金」がそれである。
 第一関門を突破したと思ったら、第二関門である。500万円での運用である。本腰を入れるにはこの関門である。まず最初に、どういう「道」でいくかである。現在の日本の経済的キーワードを挙げると、IT・バイオテクノロジー・ナノテクノロジー・環境・ロボット技術などが上げられるだろうか。そういったものを組み立てていってもいいのだが新鮮味が内容に欠けると思う。そういった中で、「交通バリアフリー」というものが出てきた。
 これを知ったのは(私)、テレビ朝日の某ニュース番組である。平成12年5月に成立した「交通バリアフリー法」。交通バリアフリー法の主な趣旨は、駅・バス・公共施設など街のあらゆる段差を解消するための法律です。駅や公共施設にエレベーター・エスカレーターを設置、低床バスの導入を義務づけるものです。国・地方自治体・事業者がそれぞれ負担します。国は公共交通機関を利用する高齢者、身体障害者等の移動の利便性及び安全性の向上を総合的に推進する。公共交通事業者に対し、鉄道駅等の旅客施設の新設・大改良・車両の新規導入の際、この法律が適用される。既存の旅客施設・車両については努力義務とする。例、エレベーター・エスカレーター等の設置、誘導警告ブロックの施設等などがある。主務省庁は、運輸省・建設省・自治省・警察庁があたる。以上が交通バリアフリーの正式説明である。これに基づいて、我々はスタートした。しかし、まだ我々はスタートしたわけではなかった。運用する株式が決まっていなかったのである。しかし、その後の討議で10社が決まった。
 500万円での運用結果であるが、確か最高で20位辺りまで上昇したとか。その中で、個人的に注目したのが「日産ディーゼル」という会社である。この会社の株を95円で取得した。ところが、最近この会社の株価を見てみると「184円(最高値)」となっていた。後の祭りである。まさに、生き物である。



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