1. 今次教育改革の目指すもの
これまでの知識偏重・暗記万能の教育から、「自ら学び、自ら考える子ども」の育成へと改めようとするもの。OECDの到達度調査や文部科学省の全国学力テストで、日本の子どもが「自ら考える力」を失っていることがはっきりした。点数のとりやすい問題は好成績だが、考えなければ解けない問題は避けて通るという傾向が明白になってきた。
一方、新学習指導要領の施行を機に、日本の子どもの「学力低下」が社会的に関心を集めている。「学力低下」を論じている学者たちの議論を見聞していると、「学力」とは何かが明らかでないことに気づく。大学入試問題が解ける力が「学力」だと云うのであれぱ大きな間違いである。
「学力」とは何かを真剣に問うてみる必要がある。私は、問題を解く力を「学んだ力」と名付け、その「学んだ力」を付けるためには「学ぶ力」がなければならないと考える。「学ぶ力」とは「学び方」、学ぶための方法を身につけていることである。そして、その前に「学ぼうとする力」が必要である。学ぶことへの意欲・関心、モチベーションなどを意味する。この三つの力を総合したものが「学力」だと考えている。
私学は、保護者から高い授業料を払ってもらうのだから、それに応える教育を行うのが当然の責務である。先に述べた「学力」を子どもに付けることが第一に必要なこと。同時に建学の精神に代表される各学校の特色を生かした教育をするべきである。公立学校との違いをどう出していくかが問われている。
2. 民間人校長としての私
私は学校教職員としての経験は皆無、生粋のジャーナリストで1983年以降はNHK解説委員を務めてきた。93年に文化女子大学教授に就任し、2000年4月から附属杉並中高等学校長になった。民間人校長のはしりのようなもの。
校長になって、果して学校は本来の教育をしてきたか−という疑問から、"わかる授業の徹底"を本校の最大の教育方針に掲げた。そして「学力」を付けるために授業の方法を考え、現実に実行することを教員に求めた。「学力向上フロンティア・ハイスクール」に応募し採用されたのも、一人ひとりの教員に「わかる授業の徹底」のための責任を自覚してもらい、共通理解と共通認識を持ってもらおうというのが狙い。
3. 女子校の特徴とは
「学力」を付け、「わかる授業」を徹底すべきなのは共学校も女子校も同様である。しかし、教育全体を通して、男性と女性の違いを明確にすることから始めるべきであろう。その上で、女性の長所を生かし(伸ばし)、足らざるを補うことを考えたい。何でも男性と女性とを同等に扱え、考えろと言うのは誤り。そこから女子教育の本質が考えられるのではないか。
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